なぜ水素はすぐに抜けてしまうの?水素の性質を科学的に解説

水素水を開封するとすぐに水素が抜けてしまったり、水素吸入の際にも保存ができなかったりすることに疑問を感じたことはありませんか?
実は、水素は非常に軽く、透過しやすいという特性を持っており、密閉された容器に入れても徐々に外へ逃げてしまいます。

本記事では、水素が抜けやすい理由を科学的な視点から解説し、ポリ袋を水素が通り抜ける実験動画とともに、その性質を分かりやすく説明していきます。

目次

水素が「すぐに抜ける」理由とは?

水素は地球上で最も小さい分子

水素(H₂)は宇宙で最も軽く、分子サイズが非常に小さい気体です。

化学的に見ると、水素分子の直径はわずか 0.24ナノメートル(nm) ほどで、これは酸素分子(O₂)や窒素分子(N₂)よりもはるかに小さいサイズです。
このため、気体を閉じ込める容器の素材によっては、分子レベルの隙間を通り抜けてしまいます。

例えば、一般的なペットボトルやプラスチック容器では、分子の隙間が大きいため、水素は短時間で外へ逃げてしまいます。この性質を考慮すると、水素水や水素ガスを保存する際には、適切な容器が必要になることがわかります。

拡散しやすい性質を持つ「軽さ」と「運動エネルギー」

水素は地球上で最も軽い元素であり、その質量は酸素の 約16分の1 しかありません。

気体の拡散速度は「グラハムの法則」によって示され、分子量が小さいほど速く拡散することが分かっています。
つまり、水素はその小ささに加えて非常に動きやすいため、密閉容器のわずかな隙間からでも短時間で拡散してしまうのです。

また、温度が高いほど分子の運動エネルギーが大きくなるため、水素の抜けるスピードも速くなります。例えば、常温の状態よりも高温環境に置かれた場合、水素はさらに早く外へ拡散してしまうのです。

水素がポリ袋を通り抜ける?実験で確認!

ポリ袋に水素を入れた状態で放置すると、時間が経つにつれて水素が外に抜けてしまうことが確認できます。

この実験では、水素がポリ袋の分子構造の隙間を通過し、外へと拡散していることがわかります。
通常、ポリ袋は空気をしっかりと閉じ込めることができますが、水素の分子は小さすぎるため、目には見えないほどの微細な隙間から抜け出してしまいます。

これは、水素が金属タンクや特殊な素材の容器で保存される理由の一つでもあります。
ポリ袋だけでなく、一般的なプラスチック容器やペットボトルでも同様に水素が抜けてしまうため、長期間保存することは難しいのです。

水素を逃がさないための保存方法とは?

アルミパウチや特殊なボトルの利用

水素水を保存する際、一般的なペットボトルやプラスチック容器では水素が抜けてしまいます。そのため、水素を長時間閉じ込めるためには、アルミパウチや特殊なコーティングが施された容器が使用されます。

アルミは分子レベルの隙間が少ないため、水素の透過を抑えることができます。実際、市販の水素水はアルミパウチに入れられていることが多く、これは水素をできるだけ長く閉じ込めるための工夫なのです。

水素は「作りたて」がベスト!

水素は抜けやすいため、保存するよりも、その場で生成してすぐに摂取することが最も効率的です。
水素吸入や水素水の利用では、生成直後に摂取することで最大限の水素を取り入れることができます。

特に水素吸入は、その場で水素を取り込み、ダイレクトに体内へ届けることができるため、最も効率的な水素摂取方法といえるでしょう。

まとめ|水素の性質を理解して、効率よく活用しよう!

水素がすぐに抜けてしまう理由は、分子が非常に小さく、軽いため、容器のわずかな隙間からでも拡散してしまうからです。
この性質を踏まえると、水素を効果的に摂取するためには、密閉性の高い容器を使う、または生成後すぐに使用することが重要であることが分かります。

今回のポリ袋実験を通して、水素の透過性の高さを目で見て実感できたかと思います。
水素をうまく活用しながら、健康や美容に役立てていきましょう!

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