


水素といえば、医療やコンディション管理の分野で語られることが多い技術です。
しかし今、その活用領域は農業へと広がり始めています。
2026年2月、Suiliveを製造する株式会社SUISO JAPANは、福岡県糸島市であまおう「一座建立のいちご」を営む樋口真斗氏と連携し、水素水を活用したイチゴ栽培の実証プロジェクトを開始しました。さらに本取り組みでは、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)とも共同研究を行い、科学的な視点から検証を進めていきます。

SUISO JAPANはこれまで、日本製の医療グレード水素吸入器「Suilive」を開発・展開してきました。その技術を応用し、2023年に開発されたのが「高濃度水素溶解装置」です。
この装置は、雨水や川の水など様々な水源に対して、水素ガスを高濃度で溶存させることができる機器で、特許庁認定技術を採用しています。生成10秒後で1.1ppm以上の水素濃度を実現する仕様となっており、農業用途への展開が模索されてきました。
医療で培われた安全性と安定性を基盤に、水素を“吸う”だけでなく、“育てる”ために活用するという発想が、今回のプロジェクトの出発点です。
農業を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
人手不足、肥料や資材価格の高騰、気候変動による収量や品質の不安定化。こうした課題に対して、新しいアプローチが求められています。
近年の研究では、水素が植物に対して以下のような可能性を持つことが示唆されています。
今回のイチゴ栽培実証は、こうした可能性を現場レベルで検証する取り組みです。
プロジェクトの舞台は、福岡県糸島市。
「あまおう」を栽培する「一座建立のいちご」において、水素水を用いた育成効果の検証が始まりました。
単なる試験的導入ではなく、実際の農業現場での使用を通じて、
といった観点からデータを収集します。
さらに産総研との連携により、イチゴの成長プロセスや土壌環境への影響を科学的に解析し、客観的な根拠を積み上げていきます。
水素農業は、まだ発展段階にあります。
しかし、医療分野で積み上げてきた技術と知見を応用し、一次産業へ展開する今回の取り組みは、新しい可能性を示しています。
医療からスポーツ、そして農業へ。
水素技術は、分野の枠を越えて活用の場を広げています。今回の糸島での実証が、水素農業の確立に向けた一歩となるかどうか。今後の成果が注目されます。
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