


水素吸入は、これまで主に美容や健康管理の分野で知られてきましたが、近年では医療の現場でも着実に研究が進められています。
2026年2月、SUISO JAPAN は、日本製水素吸入器「Suilive」を用いた水素吸入療法について、京都府内の複数の大型医療機関と共同で臨床研究を開始することを発表しました。
今回の研究では、脳卒中患者および頭部外傷患者を対象に、水素吸入療法の有効性と安全性を医療の視点から検証していきます。
脳卒中や頭部外傷では、脳細胞が一時的に血流不足(虚血)に陥り、その後血流が再開する際に「再灌流障害」が起こることがあります。
この過程で大量の活性酸素が発生し、神経細胞に深刻なダメージを与えることが、後遺症や予後悪化の要因とされています。
近年の研究により、水素ガス吸入には
といった作用が示唆されており、治療を補助する手段としての可能性が注目されてきました。
2016年には、日本国内で水素ガス吸入療法が先進医療Bとして認定された実績もあり、臨床応用に向けた研究は着実に積み重ねられています。
今回の共同研究には、以下の医療機関が参加しています。
研究対象は、急性期の脳卒中患者および頭部外傷患者。
標準治療と併用したうえで、水素吸入療法が症状改善や予後にどのような影響を与えるのか、安全面も含めて検証されます。
研究代表者は、京都済生会病院 脳神経外科の吉浦 徹 医師が務めています。

今回の研究で使用されるのは、医療機関専用モデルの水素吸入器 Suilive SS-700M。
医療現場での使用を前提に設計されており、
といった要件を満たしています。
また、鼻腔内での吸入効率を高めるための適温冷却水素ガス生成技術が採用されており、これは特許庁にも認定されています。
今回の研究以前にも、順天堂大学医学部 整形外科学講座との共同研究を通じて、水素が神経再生を促進する新たな作用メカニズムを解明しています。
この成果は、国際学術誌 Molecular Medicine Reports に掲載され、水素医学分野における重要な知見として評価されました。
さらに海外では、心停止後患者を対象とした多施設共同研究において、水素吸入を行った群で90日後の生存率が大きく改善し、重篤な副作用が確認されなかったという報告もあります。

今回の共同臨床研究は、水素吸入療法を“主役の治療”としてではなく、標準治療を補完する治療補助手段として位置づけている点が特徴です。
既存治療の効果を支え、患者の回復を後押しする選択肢として、水素が医療の現場にどのように組み込めるのかが問われています。
水素吸入療法は、まだ発展途上の分野です。
しかし、大学病院や大型医療機関と連携した臨床研究が進むことで、その有効性と安全性は少しずつ明確になりつつあります。
今回の京都での共同研究は、水素が「健康ケア」から「医療」へと歩みを進める、大きな節目のひとつと言えるでしょう。
今後、どのような臨床データが示されるのか、その動向が注目されます。
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